CASEBOOK:013 かみ合わせ
顎変形症で顎(アゴ)骨切らない
顎変形症の場合は、矯正治療を保険適用で受けることができるのですが、その前提として『顎の外科手術』が必要となります。
- 外科手術のリスク
しかし、顎を切る外科手術を受けることは、かなりのリスク、身体への負担(外科手術には神経切断や麻痺が残る恐れがあり、さらに噛み合わせが悪いまま口が開かないように上下の骨が固まるまで固めます)、さらに食事や異物を吐くことが口からできないため、大変キツイ1か月の入院期間となりますので、抵抗がある方もおられるかと思います。
- そこで外科手術なしで
顎変形症によって生じる歯並び・噛み合わせの乱れを根本から治すためには、歯の土台である骨の骨格を理想的な状態に導くことが大切と考えられるため、骨のズレの程度が小さくても『顎を切る外科手術が適切』と現在でも考えられていることがあります。しかし、矯正技術が向上してきたことにより、骨の成長も見込めますので、抜歯を減らし、顎を切らず歯並びを整えることが可能となってきています。よって、外科手術のような非常に負担が大きいリスクを減らすことができるようになってきました。
- 恐怖と身体への負担を減らすことが一番
また、顎に異常がある状態で歯列矯正だけで治療しようとすると、治療期間が長引いて歯周組織に過度な負担がかかる恐れがあるとも考えられていますから、外科手術で短期間に行うというのが外科のメリットも、最近では外科手術なくても、歯周組織への大きな負担を減らし矯正治療ができるよう技術力が向上しております。
その場合は、保険治療の適応は無くなりますが、身体への大きなリスクとのリスクバランスを考えると、身体への最小限の負担と心身的軽減は大きなメリットと考えられます。
また、通常矯正治療より治療期間が延びますが、ゆっくり進めることは逆に歯周組織への負担を大きく減らすことに繋がり、よりメリットとなります。残念なのが保険適用の負担で受けられませんが、過度に不安にならず矯正治療が進められることが可能となっていますので、まずは一度、当医院までご相談下さい。